かつてモーションコミックを作るには、アニメーターや声優、そして多くの根気が必要でした。今では、完成した漫画のコマやページ全体を用意し、何を起こしたいかを説明するだけで、AIがセリフの音声や効果音の付いたモーションコミックに仕上げます。
このガイドでは、実際の漫画のコマと、制作時に使ったプロンプトをそのまま用いて、Comik AIでの制作手順を最初から最後まで紹介します。同じコマを、元のモノクロの絵柄を保つ方法と、自動でカラー化する方法の2通りで動かします。さらに、4コマのページを1本の連続した動画にする例も紹介します。
押さえておきたいポイント
- モーションコミックは、既存の漫画に動き、セリフの音声、効果音などを加えたものです。フレームごとにアニメーションを描く必要はありません。
- Comik AIでは、コマやページ全体をアップロードし、アニメーションスタイルを選んで短いプロンプトを書き、生成します。
- Original Art(原作画のまま)は描かれた絵をそのまま保ちます。Auto Color(自動彩色)はモノクロ漫画を動かしながらカラー化します。どちらにも、1ページ全体を1本の動画にするMulti-Panel版があります。
- キャラクターに声を付けるには、プロンプトに @ を入力し、各キャラクターに音声を割り当てます。
- プロンプトで最も重要なのは、変えてはいけないものをAIに伝える一文です。
モーションコミックとは何ですか?
モーションコミックは、静止した漫画から作る動画です。場面を描き直すのではなく、既存のコマに命を吹き込みます。キャラクターが動いて表情を変え、カメラがパンしたり寄ったりし、効果音や音楽とともにセリフが音声で再生されます。
漫画と本格的なアニメーションの中間に位置する表現です。元の絵の特徴が保たれるため、漫画の予告編やWebtoonの宣伝、YouTube Shorts、TikTok、Instagram Reels向けの短い動画に適しています。
始める前に何を用意すればよいですか?
- 漫画やWebtoonのコマ1枚、またはページ全体。 1つの場面には内容がはっきりした1コマを使います。複数コマのページを使えば、ページ全体を1本の動画にできます。
- 権利を持っている、または使用許可を得ている絵。 自分の作品やComik AIで作成した画像を使ってください。権利を持っていないキャラクターやページをアニメーション化しないでください。
- 場面で何を起こしたいかのイメージ。 誰が話すのか、どう動くのか、カメラをどう動かすのかを考えておきます。
このガイドで使うのは、若い女性と年配の男性の2人が登場し、吹き出しにセリフが書かれたモノクロ漫画のコマです。

Comik AIでモーションコミックを作るには?
AIモーションコミック作成ツールを開き、次の5つの手順で進めます。
手順1:コマをアップロードする
「参考画像」をクリックし、漫画のコマ、または複数コマのページ全体をアップロードします。モードは初期設定のReference to videoのままにします。このモードでは画像、音声、動画を参考素材として使えるため、手順4でキャラクターの声を追加できます。画像を最初のフレームにしたい場合は、Image to videoやFrame to Videoも利用できます。

手順2:アニメーションスタイルを選ぶ
4つのアニメーションスタイルから選びます。
- Original Art(原作画のまま)は、描かれたキャラクター、線画、トーンをそのまま保ちます。
- Auto Color(自動彩色)は、モノクロ漫画をアニメーション化しながらカラー化します。
- Multi-Panel Original Artは、元の絵柄を保ちながら、ページ全体がシーンごとに展開する1本の動画にします。
- Multi-Panel Auto Colorは、同じようにページ全体を動画化しながら、モノクロ漫画をカラー化します。
1コマには単一コマ用のスタイル、ページ全体にはMulti-Panelスタイルを使います。Original ArtとAuto Colorを切り替えるときにプロンプトを変える必要はありません。違いはスタイルの選択で反映されます。

手順3:プロンプトを書く
何を作るか、何を変えてはいけないか、誰が話すかを説明します。書き始めに迷ったら「デフォルトプロンプトを使用」をクリックし、入力されたプロンプトをもとに編集してください。
このガイドの2本の動画で実際に使用したプロンプトはこちらです。
プロンプト
Convert this comic image into an anime-style animated video.
Keep the characters, scene, composition, camera angle, clothing, props, expressions, and speech bubble content unchanged. Do not add, remove, replace, or redesign any elements.
Generate character voices based on the dialogue in the comic:
- Young woman voice: [@Soft-Spoken Lady.mp3]
- Old man voice: [@old man.mp3]手順4:各キャラクターに声を割り当てる
まず、使いたい音声を追加します。「音声ライブラリ」から選ぶか、「ローカル音声を使用」で自分の録音をアップロードしてください。次にプロンプトに @ を入力して音声を選ぶと、[@Soft-Spoken Lady]のようなメンションとして挿入されます。各メンションを、その声を使うキャラクターの短い説明の隣に置き、誰にどの声を割り当てるのかをAIに伝えます。

手順5:生成して確認する
動画を生成し、音声をオンにして視聴します。キャラクターが元のコマと同じ見た目か、正しいキャラクターがセリフを話しているか、新しいものが画面に追加されていないかの3点を確認してください。気になる点があれば、プロンプトを調整してもう一度生成します。
仕上がりはどうなりますか?
同じコマ、同じプロンプトで、2つのスタイルを比較します。
Original Art: モノクロの絵、スクリーントーン、線画をそのまま保ちながら、キャラクターが動いて話します。
Auto Color: 同じ場面が動きながら自動でカラー化されます。
漫画1ページをまるごと1本のモーションコミックにするには?
複数コマのページをアップロードし、手順2でMulti-Panel Original ArtまたはMulti-Panel Auto Colorを選びます。各コマが、それぞれカメラワークのあるシーンになり、物語の順に再生されます。ページ全体が、セリフの音声や効果音の付いた1本の連続した動画になるため、コマを1つずつアニメーション化する必要はありません。
使用した4コマのページはこちらです。新しいランニングマシンをめぐる短い物語が、初日から2週間後まで描かれています。

Multi-Panel Original Art: 元のモノクロの絵柄を保ち、各コマが1つのシーンとして物語の順に再生されます。
Multi-Panel Auto Color: 同じページが自動でカラー化されます。
コマの読む順番が明確で、吹き出しの文字が読みやすいページほど適しています。同じキャラクターが複数のコマに登場する場合は、ページ全体で同じ声を割り当ててください。
モーションコミック用のプロンプトを上手に書くには?
上のプロンプトは3つの部分で構成され、それぞれ異なる問題に対応しています。
- 何を作るか。 「この漫画画像をアニメ風の動画に変換してください。」この一文で十分です。
- 何を変えてはいけないか。 「キャラクター、場面、構図、カメラアングル、服装、小物、表情、吹き出しの内容を変更しないでください。要素を追加、削除、置き換え、再デザインしないでください。」これが最も重要な指示です。この一文がないと、AIは場面を動かす代わりに描き直してしまうことがあります。
- 誰が、どの声で話すか。 キャラクターごとに1行ずつ書き、それぞれの音声メンションを入れます。
特定の動きを付けたいときは、「彼女がゆっくり彼のほうを向く」「カメラが彼女の顔に寄る」など、わかりやすい言葉で追加します。1ショットにつき主な動きは1つに絞ってください。一度に多くのことを求めるほど、動きの結果を予測しにくくなります。
漫画のキャラクターに声を付けるには?
吹き出しに書かれているセリフが、そのまま話す内容になります。必要なのは、各キャラクターに声を割り当てることだけです。
- 「若い女性の声」「年配の男性の声」など、コマに描かれている見た目に合わせてキャラクターを説明します。
- @ を使い、キャラクター1人につき音声メンションを1つ挿入します。
- 話す内容と画面上の文字を一致させるため、吹き出しの内容を変えないようプロンプトで指示します。
場面に合う効果音やBGMも追加できます。音のないアニメーションではなく、完成した映像として仕上げられます。
モノクロ漫画を動かしながら自動でカラー化するには?
手順2でAuto Colorを選びます。ページ全体にはMulti-Panel Auto Colorを使ってください。事前に色を塗る必要も、プロンプトを書き換える必要もありません。Comik AIがアニメーション化と同時に彩色するため、モノクロで描いた漫画のカラー版をSNSで使いたい場合に便利です。
元のトーンが物語の雰囲気を作っている場合は、Original Art系のスタイルを選んでください。両方を試して、場面に合うほうを選ぶクリエイターも多くいます。
よくある失敗と、その直し方は?
キャラクターの見た目が元のコマと違う
プロンプトの「変更しない」という指示を残し、服装、髪、場面を変えるような指示は避けます。キャラクターの見た目の基準は、元のコマだけにしてください。
別のキャラクターがセリフを話している
年齢や役割など、見た目に合った説明でキャラクターを指定し、1人につき音声メンションを1つにします。
余計な文字や新しい物が出てくる
「要素を追加、削除、置き換え、再デザインしないでください」という指示をプロンプトに残し、元のコマにないキャプションやタイトルを追加するよう求めないでください。
動きがまとまらない
1ショットにつき主な動きは1つにします。複数コマにまたがる長い物語なら、コマを1ページにまとめてMulti-Panelスタイルを選ぶと、各コマがそれぞれのシーンになります。
よくある質問
モーションコミックを作るのにアニメーションのスキルは必要ですか?
いいえ。完成したコマを用意し、何を起こしたいかを説明するだけです。フレームごとの作画やキーフレームの設定は必要ありません。
自分の漫画やWebtoonを動かせますか?
はい。作品の権利を持っているか、使用許可を得ていれば、漫画やWebtoonのコマ、ページ全体のどちらも利用できます。
Original ArtとAuto Colorはどう違いますか?
Original Artは元のコマの見た目を保ちます。Auto Colorはモノクロ漫画を動かしながらカラー化します。どちらにも同じプロンプトを使え、ページ全体に対応したMulti-Panel版もあります。
漫画1ページをまるごと、1本の動画にできますか?
はい。複数コマのページをアップロードし、Multi-Panelスタイルを選んでください。各コマがシーンとなって物語の順に再生され、セリフの音声や効果音の付いた1本のモーションコミックになります。
モーションコミック動画の長さはどれくらいにすればいいですか?
コマに含まれるセリフの量によって変わります。吹き出しが2つあるコマ1枚なら、6秒程度が目安です。吹き出しが8つある4コマ構成のページなら20秒以上を選び、すべてのセリフを話し終えられるよう25秒をおすすめします。1本の動画はコマ1枚またはページ1枚に対応し、最大の長さは選択したモデルによって異なります。Seedance 2.5は最大30秒、Seedance 2.0とMiniMax H3は最大15秒、VEO 3.1は最大8秒です。
キャラクターごとに違う声を使えますか?
はい。プロンプトに @ を入力して各キャラクターの音声を挿入し、どの声を誰に使うのかを説明します。
モーションコミックの生成は無料ですか?
モーションコミック動画の生成には、有料プランのクレジットを使用します。現在のプランは料金ページで確認できます。
最初のモーションコミックを作ってみましょう
お気に入りのコマやページを選び、上のプロンプトを出発点にして各スタイルを試してください。AIモーションコミック作成ツールを開いて、最初のモーションコミックを作りましょう。
